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尿素市況、インド買い付けで需給引き締まりと日本の調達コスト上昇

尿素 市況は、インドの買い付け意欲を背景に、バルト海・中東・中国で底堅さが目立つ展開です。中国では先の船積み分まで販売が進み、稼働率と港湾在庫も低下しています。日本では主要輸入元の価格上昇と国内メーカーの値上げが重なり、調達コストへの圧力が強まっています。入札の結果と供給の実態を分けて確認する局面です。


尿素 市況の全体整理:FOBバルト海・中東・中国市場

FOBバルト海は底上げされ、中東も上昇、中国は堅調に推移しています。価格感を広めのレンジで整理すると、バルト海と中東はトン当たり350~450ドル、中国は350~400ドル程度です。インド向けの買い気が、国際市場の需給引き締まりにつながっています。

ただし、地域ごとの取引状況には差があります。バルト海では欧州の買いが本格化せず、中東ではオファー上昇に対して成約情報が限られています。提示価格の強さと実際の取引成立を切り分け、上昇がどこまで浸透するかを確認する必要があります。

バルト海市場の尿素 市況

バルト海市場では、インドがまとまった数量の買い付けに動いたことで、需給の引き締まり感が出ています。欧州向けの買いがまだ本格化していないため、上げ幅は限定的ですが、インド向けの需要が価格を下支えする構図です。

価格感は前述の350~450ドル程度のFOBレンジです。欧州向けLNGの直近指標は下落しましたが、尿素では買い付け需要による底上げが確認されています。エネルギー指標の変化と尿素の需給を、それぞれの動きとして捉える必要があります。

中東市場の尿素 価格動向

中東ではインドの買い気が浮上し、オファー水準が切り上がりました。尿素工場で生産が行われているイラン積みでも売り物は見られる一方、提示価格は前週から上昇しています。ただし、中東積みの成約情報は確認されていません。

中東全体の価格感は350~450ドル程度のFOBレンジです。競合するエジプト積みでは、10月積みのまとまった数量が500~600ドル程度のFOB水準で成約したとの情報があります。産地や船積み条件の異なる情報を、同一の価格として扱わないことが大切です。

中国市場の尿素 市況

中国は南米やオーストラリア向けの需要増加を受け、10~11月積みまで売り切れとなり、商談の中心は12月積みに移っています。価格感は350~400ドル程度のFOBレンジです。工場の平均稼働率と港湾在庫も前週から低下し、供給の縮小が相場を支えています。

第3期の輸出割当は、当初予想よりやや多くなる見込みで、概括的な規模は100~250万トン程度との市場関係者の見方があります。ただし、インドが期先の中国積みも吸収しようとしており、割当増加による国際需給の緩和効果は限定的とみられています。割当規模と実際の供給余力は別々に確認が必要です。

貿易統計では、中国の8月輸出量は前月比で増えた一方、前年同月比では減少しました。韓国の中国からの輸入量は前月・前年同月の双方を上回っています。両統計の単価は前月比で低下し、前年同月比では上昇しており、過去の通関実績と足元の商談状況を区別する必要があります。

日本市場と輸入尿素の確認点

CIF日本の価格感は、トン当たり450~600ドル程度へ上昇しています。東南アジアでタイなどの需要が増え、主要輸入元であるベトナム積みのFOB価格が450~550ドル程度へ上がったことが影響しています。国内メーカーもLNG輸入価格の上昇を受け、10月以降の値上げを打ち出しています。

中国から日本への年初から8月までの輸出量は、前年同期を大幅に下回りました。輸入単価の変化は小さく、数量面の変化が目立ちます。肥料・工業・AdBlue向けでは、海外価格の上昇と国内の値上げを合わせて確認し、必要時期に対する見積価格と納期を確かめたいところです。

インド市場

CFRインドは横ばいで、価格感はトン当たり350~450ドル程度です。国営IPLは新たな買い付け入札を開示し、東西両海岸向けに合計150~200万トン程度を対象としています。10月7日に締め切り、応札の有効期限は10月15日、船積み期限は12月中旬ごろと伝えられています。

一部の市場関係者は、長めの船積み期限について、今後の相場上昇を見越し、中国積みを比較的割安なうちに多く確保する意図があるとみています。これは確定した方針ではありません。貿易統計では7月と年初から7月までの輸入量が前年を大幅に上回り、買い付け需要の強さが確認されています。

その他地域・関連指標

オーストラリアのニューカッスル積み石炭のFOB指標は、直近で小幅に上昇しています。欧州向けLNGの下落とは方向が異なり、関連エネルギー指標も一様ではありません。尿素価格への影響度を示す情報はなく、指標の変動から尿素の先行きを断定することはできません。

韓国の8月の尿素輸入量は、前月・前年同月の双方を下回りました。輸入単価は前月比では下がり、前年同月比では上昇しています。中国からの輸入増加と輸入全体の減少が併存しており、地域需要を見る際には、特定の調達先と輸入全体を分けて確認する必要があります。

尿素 市況で今後確認すべき5つの注目ポイント

  1. インド入札の結果:応札価格、落札数量、供給元を確認し、買い付け意欲が実際の成約に結び付くかを追います。
  2. 中国の供給余力:輸出割当の確定内容に加え、稼働率、港湾在庫、期先の販売状況を確認します。
  3. 中東の価格浸透:オファー上昇に対し、成約価格と船積み時期がどのように決まるかを確認します。
  4. バルト海と欧州の需要:インド向け需要による底上げが続くか、欧州の買いが本格化するかを追います。
  5. 日本の調達条件:ベトナム積み価格と国内メーカーの値上げが、用途別の見積価格・納期へどう反映されるかを確認します。

尿素の調達・価格相談

肥料向けでは使用時期と必要量、工業向けでは継続供給と品質条件、AdBlue向けでは用途に適合する原料条件を踏まえ、価格と納期を確認することが重要です。インド入札、中国の供給状況、国内の価格改定を継続して確認し、用途別の調達判断につなげます。

調達・価格のご相談は、エネルギー事業のお問い合わせ、または尿素の調達・価格相談窓口をご利用ください。
【お問い合わせ】エネルギー事業部 尿素部門/E-mail:energy@tns.inc

本記事はティーエヌエス株式会社が独自調査・編集した情報です。価格は公開用の概括的なレンジであり、個別の取引価格を示すものではありません。情報の正確性・完全性や将来の動向を保証するものではなく、最終的な調達・取引判断は各社で行ってください。

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