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欧州需要低迷でFOB軟化、中東供給増観測も重荷

国際尿素市況は、需要低迷を背景にFOBバルト海・中東・中国がいずれも下落した。欧州では尿素から硝酸塩への代替が進み、中国は国内軟調と在庫増が重荷。中東はホルムズ海峡を巡る供給増観測が意識される一方、開放可否はなお不透明だ。


FOBバルト海・中東・中国市場

市況:下落

ドライバー:需要が低迷し、相場全体が下押しされた。バルト海では欧州需要の弱さ、中国では国内市況の軟調、中東では供給増加観測がそれぞれ重荷となった。

レンジ価格感:FOBバルト海は500ドル台後半〜600ドル台半ば、中東は600ドル台半ば〜700ドル弱、中国は600ドル台後半〜700ドル台前半の範囲感。


バルト海市場

市況:下落

ドライバー:需要低下を受けて相場が軟化した。欧州では市況上昇を背景に、尿素の代替としてより安価な硝酸塩への切り替えが進み、尿素需要の低下につながった。

レンジ価格感:500ドル台後半〜600ドル台半ばの水準感。


中東市場

市況:下落

ドライバー:中東からの供給増加期待が高まっている。硫黄など尿素以外の肥料製品がホルムズ海峡を通過したとの報道があり、尿素の通過期待も高まった。ペルシャ湾岸の輸出施設からの潜在的な供給能力も意識され、プレーヤーの販売意欲が強まっている。

レンジ価格感:600ドル台半ば〜700ドル弱の範囲感。オマーン積みのブラジル向けカーゴは、到着ベースで600ドル台前半〜半ば、FOB換算で600ドル前後との見方が示された。

補足:ホルムズ海峡が開放されるかは現時点で不透明。ペルシャ湾外や紅海経由のカーゴは確認されているが、ホルムズ海峡分の数量をカバーする規模ではないとみられている。


中国市場

市況:下落

ドライバー:尿素生産が好調な一方、農業用需要が低迷し、国内市況が下落した。工場渡し価格も軟化し、全国の尿素工場稼働率は引き続き高水準、在庫も積み上がっている。

レンジ価格感:FOB中国は600ドル台後半〜700ドル台前半の水準感。国内価格は元建て・ドル換算ともに前週から下押しされた。

関連指標:公表統計では、4月の中国尿素輸出量は前月比で大幅に減少し、輸出単価も前月比で下落した。一方、前年同月比では輸出量・単価ともに増加した。早ければ6月にも輸出解禁との観測があるが、明確な方針は示されていない。


日本市場

市況:横ばい

ドライバー:CIF日本市況は前週から大きな動きがなく、8月ごろまでの供給は国産尿素とベトナム積みカーゴなどでおおむね確保されているとみられる。9月にかけて供給価格が大きく上昇する公算が大きい一方、米イラン間でホルムズ海峡の開放が合意されれば、10月以降は下落に向かう可能性が示された。

レンジ価格感:700ドル台後半〜800ドル台前半の範囲感。

補足:中国積みカーゴの輸入解禁期待はあるものの、日本向け輸入は依然として難しいとの見方がある。日中関係の冷え込みを背景に、中国当局が輸出を解禁しても日本向けを控えるメーカーが少なくないとされ、ホルムズ海峡からの供給が途絶しているインド向けなどに吸収される可能性がある。


インド市場

市況:横ばい

ドライバー:インドは近く買い付け入札を実施するとみられている。ただし、国内在庫が潤沢であること、販売抑制や国内生産の回復、政府による堆肥など自然由来肥料への代替呼びかけが在庫積み上げにつながっていることから、次回入札が先延ばしされる可能性もある。

レンジ価格感:800ドル台中心〜900ドル前後の範囲感。


その他

東南アジア:ブルネイ国営肥料会社が6月前半積みの数千トン規模を対象に販売入札を実施したが、結果は伝わっていない。

オーストラリア:ホルムズ海峡依存度の高い同国政府が、ブルネイ国営肥料会社から数十万トン規模の尿素を購入していたとの情報が聞かれた。また、インドネシア国営肥料会社から二十万トン台規模の供給を受けることも政府間で合意していると伝えられた。

南アフリカ:数千トン規模のカーゴがCFRベース700ドル台後半で成約されたとの情報があるが、到着時期は不明。


今後の注目ポイント

  1. ホルムズ海峡の開放可否と、中東積み尿素の実際の通過状況。
  2. 欧州の尿素需要が、輸入関税停止措置を受けて回復するか。
  3. 中国の輸出解禁方針、CIQ対応、日本向け輸出の実現可能性。
  4. インドの次回買い付け入札時期と、潤沢な在庫が調達量に与える影響。
  5. 日本向け9月以降の供給価格と、10月以降の下落シナリオの有無。


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