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インド買いでバルト海上昇、中東封鎖で需給締まる

国際尿素市況は、インドの買い付けを起点にFOBバルト海・中東・中国が上昇した。バルト海では欧州競合地域からの玉が吸収され、中東はホルムズ海峡封鎖の継続で供給警戒が残る。中国は国内供給に選択感があり、輸出解禁の見通しはなお不透明だ。


FOBバルト海・中東・中国市場

市況:上昇

ドライバー:インドの買い付けにより需給が引き締まり、FOBバルト海・中東・中国はいずれも前週から切り上がった。中東ではホルムズ海峡封鎖の事実上の継続、中国では輸出解禁時期の不透明感が意識されている。

レンジ価格感:FOBバルト海は900ドル台半ばから1,000ドル手前、中東は900ドル前後、中国は800ドル台前半から900ドル台前半の範囲感。


バルト海市場

市況:上昇

ドライバー:インド向けの買い付け入札を受け、ロシアや黒海など欧州競合地域からの出物が吸収され、需給が引き締まった。原料面では欧州LNG価格の上昇も強材料として示された。

レンジ価格感:FOBバルト海は900ドル台半ばから1,000ドル手前の高値圏に切り上がった。欧州LNGは100万BTUあたり10ドル台半ばまで上昇した水準感。


中東市場

市況:上昇

ドライバー:ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続き、米国の対イラン制裁も背景に、買い手がつかない状況とされた。インドの大量買い付けによって競合地域の出物が吸収されたことも、需給引き締まりにつながった。

レンジ価格感:FOB中東は900ドル前後の水準感。イラン向けと伝えられた小口カーゴは800ドル台後半、エジプトのスポット販売は800ドル台前半の価格帯とされた。

補足:オマーンの大手肥料メーカーによる買い付け入札が伝えられたが、成約が成立するかは見通し不透明。


中国市場

市況:上昇

ドライバー:中国当局による尿素の輸出引き締めが続くなか、国内では供給に選択感がある。国内市況の上値余地は大きくないとされる一方、メーカー側からは輸出解禁を望む声が強いと伝えられた。

レンジ価格感:FOB中国は800ドル台前半から900ドル台前半の範囲感。国内工場渡しは人民元建てで1,800元台前半から後半程度、ドルベースでは200ドル台半ばから後半程度の水準感。

関連指標:アジア市場の豪ニューカッスル積み石炭は130ドル台前半で、小幅に下落した。


日本市場

市況:横ばい

ドライバー:CIF日本市況は前週比で横ばい。国内流通玉が割安とされ、輸入玉への買い気は盛り上がっていない。一方で、国内在庫の偏在や輸入玉への関心は引き続き確認されている。

レンジ価格感:CIF日本は900ドル前後から1,000ドル手前の範囲感。国内工場渡しは円建てで8万円台後半から9万円台前半程度、ドル換算では500ドル台半ばから600ドル台前半程度とされた。

補足:一部の需要家は年内の必要在庫を確保した模様だが、輸入玉に関心を示す買い手もいる。ベトナム積みは800ドル台半ば程度で売り唱えられていると伝えられた。


インド市場

市況:横ばい

ドライバー:国営肥料メーカーによる買い付け入札で相当量を確保したものの、今後も十分な供給が続くかは不透明とされた。国内では供給不足が残っているとみられ、5月下旬に新たな買い付け入札が実施される可能性が示された。

レンジ価格感:CFRインドは900ドル台前半から半ば程度で、前週から大きな変化はない。


その他

公表統計:インド貿易統計によると、同国2月の尿素輸入量は95万863トンで、前月から14万2,666トン、前年同月から66万3,892トン増加した。輸入単価はトンあたり427ドルで、前月から8ドル、前年同月から33ドル上昇した。

補足:インドでは政府による天然ガス供給制限の影響で、3月の尿素生産量が前年同月を大きく下回ったとされた。一方、天然ガスの供給姿勢がスポット市場で買いを調達し、国内向け供給を増やす方向に転じたため、4〜5月は生産量回復が見込まれている。


今後の注目ポイント

  1. インドの次回買い付け入札が実施されるか、数量と対象時期を確認する。
  2. ホルムズ海峡封鎖の継続が中東玉の成約可否に与える影響を注視する。
  3. 中国の輸出解禁時期が6〜7月に近づくか、当局方針の変化を確認する。
  4. 欧州LNGと石炭価格の動きが、バルト海・中国の原料コストに波及するかを見る。
  5. 日本国内では輸入玉への関心と、国内流通玉の在庫偏在が価格形成に与える影響を確認する。


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※本トピックスはティーエヌエス株式会社が独自に調査・編集した情報をもとに作成しています。内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありませんので、最終的な取引判断は各社にてご判断ください。

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