NEWS
新着情報
尿素 2025.12.22

国際取引市況は地域ごとに方向感が分かれた。中東はインド向け需要を背景に反発する一方、バルト海と中国は総じてもち合い圏で推移した。インドの買い意欲が一時的に市況を下支えしたものの、全体としては供給余力も意識され、強弱材料が交錯する展開となっている。
FOBバルト海は横ばい圏で推移。在庫の積み上がりにより倉庫容量が逼迫しており、スポットの買い気は低調とみられる。CBAM導入を見据えた調達は一巡しつつあり、欧州向け需要は落ち着いた。トルコの新規尿素工場立ち上げも、欧州需給の緩和要因として意識されている。
FOB中東は反発。インドによる新たな買い付け入札が確認され、売り圧力が後退した。冬場の気温低下に伴う天然ガス使用制限や、イランでの原料制約による生産障害観測も、需給を引き締める材料となっている。ただし、競合するエジプト積みには余剰感があり、上昇余地は限定的との見方もある。
FOB中国はもち合い。国内では尿素工場の稼働率が8割前後で推移し、生産量は増加傾向にある。肥料向けの季節需要が相場を下支えしている一方、供給余力の大きさから高値に対する抵抗感も強い。来年初にかけた輸出継続観測はあるものの、買い手は慎重姿勢を維持している。
CIF日本市況は横ばい圏で推移。国内では定期修理を終えたメーカーが再稼働を進める一方、設備の老朽化などを背景に、国内尿素メーカーが尿素を含むアンモニア系製品をキログラムあたり10円引き上げる方針を示した。足元の需給への影響は限定的だが、中長期的なコスト転嫁の動きとして注目される。
CFRインドは小動き。新たな買い付け入札が公表されたものの、調達規模は限定的とみられ、強い押し上げ効果には至っていない。供給余力のあるメーカーが多く、入札結果次第では国際市況への影響は限定的との見方が優勢だ。
ブラジル市場では輸入量が減少し、小口調達が中心となっている。韓国・東南アジアも需給は落ち着いており、アジア全体としては慎重な取引姿勢が続く。エネルギー市況では、豪州ニューキャッスル石炭価格が横ばいで推移し、尿素コスト面への影響は中立的とみられる。
・インド次回入札の規模と成立水準
・中国の輸出継続方針と実際の出荷ペース
・中東・イランの生産制約リスク
・欧州在庫水準とCBAM後の調達動向
・国内メーカーの価格改定が需給に与える影響