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インド買い意欲は一服し世界市況は小動きへ中国の生産増・輸出継続で供給感もにじむ

【FOBバルト海・中東・中国市場】

国際市況は全体として小動きの一週間となった。バルト海は300ドル台半ば〜後半の水準で横ばい、中東は400ドル前後で小幅に上下、中国も400ドル弱を中心に狭いレンジで推移した。インドの買い意欲が先週までの強含みからやや落ち着いたことで、世界全体の上昇圧力は後退した。一方、欧州向けの需要は一定の強さを維持しており、突発的な下押しも限定的だった。


【バルト海市場】

バルト海は底堅く推移した。冬場の需要期入りを控える欧州向けの引き合いが下支えとなっているが、在庫の積み上がりも見られ、上値は伸び悩んだ。炭素国境調整措置(CBAM)開始前の買い込みは一巡し、足元は需要が落ち着いた印象だ。エネルギー価格はやや落ち着き、肥料調達コストも安定してきている。


【中東市場】

中東は横ばい基調ながら、エジプト積みの競争が引き続き激しい。欧州向け販売の足並みが揃わず、供給側がオファーをやや弱める場面も見られた。インド国営企業の買い付け入札は一旦落ち着き、追加購買の時期感が見えにくい状況にある。これにより、中東積み価格は300ドル台後半〜400ドル前後で方向感を欠いている。


【中国市場】

中国は生産の回復と輸出継続の動きが市場心理をやや重くした。複数の工場が稼働率を引き上げており、国内向け需給は軟化。加えて、政府が年末にかけて一定量の輸出を維持するとの観測も強く、海上市場では供給感がにじんでいる。山東地域の工場渡し価格は200ドル台後半〜300ドル弱で推移し、輸出換算では小幅な上値が意識される程度にとどまっている。


【日本市場】

CIF日本市況は400ドル前後の狭いレンジで横ばい。国内メーカーの定修に伴う生産調整が続いているが、在庫水準は安定しており、需給の逼迫感は限定的。中国の輸出継続観測が輸入側の安心材料となり、価格は大きく動きづらい状況が続いた。国内需要は冬場入りで徐々に増えるが、急激な上昇にはつながっていない。


【インド市場】

インドは買い意欲が一服し、前週までの強い引き合いはやや後退した。国営IPLの買い付け入札は終了し、次回入札のタイミングは不透明。市中の観測では、足元の船積みは200万トン規模の調達が進んだとされ、短期的には追加需要が限定的とみられる。一部輸入業者がスポットで小口購入を検討しているが、世界市況を押し上げるほどの量には至っていない。


【その他(ブラジル・韓国・東南アジア)】

ブラジルは季節要因で需要が鈍く、海上価格は300ドル台前半で軟調。韓国はスポット調達を見送り、既契約の消化が中心。東南アジアではインドネシア向けのオファーが弱含みで、地域全体では供給優位のトーンが強い。


【今後の注目ポイント】

  1. インドの次回IPL入札の時期と数量
  2. 中国政府の輸出政策(年末〜1月)
  3. 欧州の冬季需要と在庫推移
  4. 中東のエジプト・北アフリカ勢の競争激化
  5. エネルギー価格(LNG・石炭)の反応
  6. CBAM導入前の欧州域内需要の変化

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