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国際尿素市況は横ばい、中国輸出枠拡大とインド需要鈍化が焦点

■ バルト海市場

FOBバルト海は$400台頭から中盤で横ばい。インド向け買い付け入札が前回で一巡し、買い手は先安を見越して調整を慎重に進めている。市場全体の地合いは弱含み、価格上昇を後押しする材料は見られない。

■ 中東市場

FOB中東は$400台後半で軟調。インド向け買い付け入札が終了し足元の需要は減少。イラン積みカーゴは複数供給可能とされるが、買い手がつかず浮遊状態。インドに次ぐ需要国であるブラジルも輸入を控えており、直近のインド向け落札価格は前回から大きく下落した。

■ 中国市場

FOB中国は$400台前半から半ばで横ばい。中国当局は輸出枠を追加し、インド向けを中心に供給増加が見込まれる。高在庫を背景に輸出増を期待する見方が多いが、10月以降は国内肥料需要期に入るため、輸出を制限する可能性も指摘される。山東省の工場価格は¥6万円台後半から中盤へとやや下落。

韓国統計によれば、8月の中国からの輸入量は約3万7千トンで前月比40%超減少したが、前年同月比では3倍超増加。輸入単価はトンあたり$400台前半で前月比微増、前年同月比ではわずかに低下。

■ 日本市場

CIF日本は$400台半ばから後半にかけて前週比約30ドル安。中国積みカーゴ供給余力の増加とオフシーズン入りが背景。輸入価格下落を受け国産尿素の市況も軟化しており、中国積みの流入が引き続き国内向け尿素供給を安定させている。秋以降に予定される国内工場の定期修理・稼働停止に備え、主要需要家は在庫確保を進める必要がある。

■ インド市場

CFRインドは$400台半ば付近で横ばい。国営肥料会社NFLが前回入札で約20万トンを調達したが、新規買い付けは見送られている。現時点で次回入札に関する具体情報はなく、市場関係者は動向を慎重に見守っている。

■ その他周辺市場

韓国の8月輸入量は約7万5千トンで前月比2%弱減、前年同月比では18%超減。輸入単価はトンあたり$400台半ばで、前月比10%前後上昇。
一方、アジア石炭指標である豪州ニューキャッスル炭FOB価格は$100台前半で下落基調にあり、燃料コストの低下が尿素製造コストの下押し要因となり得る。


■ 今後の注目動き

  1. 中国の輸出枠追加と国内需要期のバランス
     輸出増が進むか、国内肥料需要優先で制限が強まるかが大きな分岐点。
  2. インドの次回入札時期と数量
     需要再燃のタイミング次第で国際価格を押し上げる可能性がある。
  3. 日本国内の備蓄・調達戦略
     冬季需要や国内工場の定修停止に備え、主要需要家は早期の在庫確保が重要。
  4. 為替と海上運賃の変動
     円安傾向や海上輸送コストの上下が輸入コストを左右する要因となる。
  5. 国際需給リスク
     イラン積みカーゴの供給動向、天候や物流の混乱などが短期的な不確定要素。

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