尿素 2025.09.15
FOBバルト海は$400台頭から中盤で横ばい。インド向け買い付け入札が前回で一巡し、買い手は先安を見越して調整を慎重に進めている。市場全体の地合いは弱含み、価格上昇を後押しする材料は見られない。
FOB中東は$400台後半で軟調。インド向け買い付け入札が終了し足元の需要は減少。イラン積みカーゴは複数供給可能とされるが、買い手がつかず浮遊状態。インドに次ぐ需要国であるブラジルも輸入を控えており、直近のインド向け落札価格は前回から大きく下落した。
FOB中国は$400台前半から半ばで横ばい。中国当局は輸出枠を追加し、インド向けを中心に供給増加が見込まれる。高在庫を背景に輸出増を期待する見方が多いが、10月以降は国内肥料需要期に入るため、輸出を制限する可能性も指摘される。山東省の工場価格は¥6万円台後半から中盤へとやや下落。
韓国統計によれば、8月の中国からの輸入量は約3万7千トンで前月比40%超減少したが、前年同月比では3倍超増加。輸入単価はトンあたり$400台前半で前月比微増、前年同月比ではわずかに低下。
CIF日本は$400台半ばから後半にかけて前週比約30ドル安。中国積みカーゴ供給余力の増加とオフシーズン入りが背景。輸入価格下落を受け国産尿素の市況も軟化しており、中国積みの流入が引き続き国内向け尿素供給を安定させている。秋以降に予定される国内工場の定期修理・稼働停止に備え、主要需要家は在庫確保を進める必要がある。
CFRインドは$400台半ば付近で横ばい。国営肥料会社NFLが前回入札で約20万トンを調達したが、新規買い付けは見送られている。現時点で次回入札に関する具体情報はなく、市場関係者は動向を慎重に見守っている。
韓国の8月輸入量は約7万5千トンで前月比2%弱減、前年同月比では18%超減。輸入単価はトンあたり$400台半ばで、前月比10%前後上昇。
一方、アジア石炭指標である豪州ニューキャッスル炭FOB価格は$100台前半で下落基調にあり、燃料コストの低下が尿素製造コストの下押し要因となり得る。