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尿素 2026.10.19

尿素 市況は、バルト海・中東・中国の主要3市場で軟化しました。中国の生産増と在庫積み上がり、中東の滞留貨物が売り圧力となる一方、LNG高に伴う減産と季節需要がバルト海相場の下値を支えています。日本の輸入相場は横ばいで、インドの再入札と国内品の価格対応を見極める局面です。
主要3市場では需要の盛り上がりが乏しく、売り圧力がやや高まりました。ただし、中国は生産・在庫の増加、中東は貨物の滞留、バルト海は中国品との競合と、軟化の背景には地域差があります。
FOB価格は、広く捉えると300ドル台を中心に、一部400ドル台前半にかかる水準です。以下の価格帯は、個別の成約値や提示値が特定されないよう幅を持たせた公開用の目安で、各市場の取引条件を併記しています。
バルト海のFOB価格は、トン当たり300ドル台半ば〜400ドル台前半の目安で弱含みました。潤沢な中国積み貨物との競合が下押し要因ですが、原料となるLNGの価格上昇に伴う採算悪化が、下げ幅を抑えています。
減産を始めるメーカーが増えている模様で、季節需要も下支えとなっています。欧州向けには北アフリカ積みへの引き合いが強まり、FOBで400ドル台半ば〜500ドル台半ばの価格帯で販売が伝えられました。
中東のFOB価格は、トン当たり300ドル台半ば〜400ドル台前半の目安で軟調でした。ホルムズ海峡の航行リスクが再び高まり、ペルシャ湾内で通航を待つ貨物があるとの指摘を背景に、イラン積みの滞留が伝えられています。
こうした状況下で、イラン積みはFOBでの売り込みを強めており、300ドル台の成約情報もあります。現時点では、物流の停滞とFOB市場の売り圧力が併存しており、通航状況と貨物の滞留解消を確認する必要があります。
中国では季節需要が盛り上がらない一方、生産が好調で、港湾在庫も積み上がっているとされます。インド向け販売の少なさも重なり、供給過剰感が強まりました。小粒品のFOB価格は、300ドル台前半〜後半の目安で下落しています。
大粒品は400ドル台の売り提示が聞かれ、小粒品とは価格水準が異なります。国家発展改革委員会が大粒品の輸出を制限しない方針を示したことで、輸出港向けの出荷が好調とされており、品種別の動きを確認したいところです。
山東省の工場渡し価格は下落しました。9月の中国貿易統計では輸出数量の増加と輸出単価の低下が示され、韓国側の統計でも中国からの輸入増加が確認されています。増産分が輸出や在庫にどう振り向けられるかが焦点です。
日本着のCIF相場は、トン当たり300ドル台後半〜400ドル台後半の目安で横ばいでした。主要輸入元のベトナム積みも、FOBで300ドル台半ば〜後半の目安で変わらず、海外主要市場の軟化が日本着相場の下落には直結していません。
日本の供給は安定し、需給の逼迫感はみられません。一方、商社経由の国内大手メーカー品は、LNG輸入価格の上昇を受けて10月から値上がりしたケースと、価格算定方式により据え置かれたケースがあり、対応が分かれています。
中国品は一部、韓国やベトナムを経由して日本へ流入しているとされます。ただし、その数量や個別条件は不明です。日本着相場、国内メーカー品の価格改定、第三国経由品の流通を分け、調達先ごとの条件を確認する必要があります。
インド着のCFR相場は、トン当たり300ドル台半ば〜後半の目安で横ばいでした。国営IPLの買付入札では、最安値に合わせる売り手が少なく、注目された中国勢もほとんど追随しなかったと伝えられています。
買付決定量は目標を大幅に下回り、農業シーズンを前に再入札が見込まれます。実施時期は早ければ10月末、11月下旬までとの見方がありますが、見通しの段階です。実施の有無と売り手の応札姿勢が、今後の確認点となります。
米国ではトウモロコシの単位面積当たり収穫量見通しが上方修正され、相場が急落し、農家の肥料購買力を抑えている模様です。ブラジルでは尿素の輸入増加を背景に買い気が乏しく、需要面での弱さが伝えられています。
東南アジア着の商談は400ドル台の目安で推移し、フィリピン勢に先の船積み分の購入意向があるとされます。関連指標では欧州着LNG価格が上昇し、豪州ニューカッスル積み石炭価格も小幅に上昇しました。
肥料用途ではインドの買付と中国の供給動向、工業・AdBlue用途では日本着相場と国内品の価格対応が調達時の確認材料になります。ただし、用途別の品質適合性や個別納入価格は市況情報だけでは判断できず、確認が必要です。
供給元、品種、船積み時期、取引条件を整理したうえで、エネルギー事業部へのお問い合わせ、または尿素の調達・価格相談窓口へご相談ください。
【お問い合わせ】エネルギー事業部 尿素部門/E-mail:energy@tns.inc
本記事はティーエヌエス株式会社が独自に調査・編集した情報です。正確性・完全性・将来の価格動向を保証するものではありません。調達・契約に関する最終判断は、個別条件をご確認のうえ各社で行ってください。