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尿素 市況は3市場で反発、インド需要と中国の供給減が押し上げ

尿素 市況は、FOBバルト海・中東・中国の主要3市場でそろって反発した。バルト海では秋口の在庫積み増し需要と天然ガス高、中東ではインド向けスポット需要、中国では積みカーゴの余剰感解消が支えとなった。CIF日本も国際市況に連れて上昇しており、調達条件を改めて確認したい局面である。


尿素 市況の全体整理:FOBバルト海・中東・中国市場

市況:FOBバルト海、中東、中国はいずれも前週から反発した。供給地3市場が同じ方向へ動き、CIF日本にも上昇が波及した。一方、CFRインドは横ばいだった。

ドライバー:バルト海は需要増加の観測と天然ガス高、中東はインドの買い付け入札、中国は積みカーゴの余剰感解消と供給減少が中心となった。

レンジ価格感:バルト海は300ドル台前半から後半、中東は300ドル台後半、中国は300ドル台半ばから後半で推移した。

補足:同時反発ではあるものの、中国では実需不足と弱気ムードも残る。地域ごとに異なる上昇要因が継続するかを分けて確認する必要がある。

バルト海市場の尿素 市況

市況:FOBバルト海は上昇した。9月以降に在庫積み増し需要が増えるとの見方から、引き合いが強まっている。

ドライバー:原料となる天然ガス価格の上昇も相場を支えた。中東情勢の緊張を背景にLNG供給の不可抗力条項が延長され、原料供給への不足感が意識された。

レンジ価格感・補足:価格帯は300ドル台前半から後半。需要の立ち上がりに加え、天然ガス価格とLNG供給を巡る不確実性が今後の確認点となる。

中東市場の尿素 価格動向

市況:FOB中東は底上げされた。直近のインド入札で落札したトレーダーが同国向けの調達を進め、スポット需要が相場を押し上げた。

ドライバー:競合するエジプト積み大粒品が400ドル台後半で成約し、足元のオファーは500ドル近辺まで切り上がった。売り手は全体として強気姿勢を取っている。

レンジ価格感・補足:中東の中心は300ドル台後半。イラン勢は輸出意欲を維持する一方、ホルムズ海峡の航行が不安定で、買い手は慎重姿勢を崩していない。

中国市場の尿素 市況

市況:FOB中国は堅調だった。インドの買い付け入札で中国積みカーゴが100万トン台落札され、輸出余力のあるメーカーやサプライヤーが増えている。

ドライバー:中国積みカーゴの余剰感が一時的に解消され、供給の減少が価格を支えた。一方、中国当局が割り当てた第二期の輸出枠は、すでに使い切ったとされる。

レンジ価格感:FOB中国は300ドル台半ばから後半。国内市況もインドの入札結果を受けて上昇したが勢いは続かず、足元では弱気ムードが再び広がっている。

関連指標:工場の生産は日量20万トン弱、平均稼働率は8割程度と比較的高い。定修期には生産がやや低下するとの見方がある。大規模な第三期輸出枠の噂も聞かれるが、詳細は判然としていない。

日本市場と輸入尿素の確認点

市況:CIF日本は前週から上昇し、400ドル台半ばから500ドル台前半となった。主要な輸入先であるベトナム積みも、FOBベースで400ドル台前半へ切り上がった。

公表統計である日本貿易統計によると、7月の輸入量は18,574トンで、前月比32.4%減、前年同月比34.3%減。平均輸入単価は1トン当たり96,346円で、前月比19.5%低下、前年同月比31.9%上昇した。

中国積みは376トンまで減少し、前年同月比97.1%減。ベトナム積みは4,672トンで、前月比37.0%増、前年同月比419.1%増となった。平均輸入単価は中国積みが1トン当たり130,721円、ベトナム積みが114,104円で、いずれも前月比では低下し、前年同月比では上昇した。

補足:7月のLNG輸入価格は全国加重平均で前月・前年同月を上回った。港別では堺泉北着が上昇し、直江津着は前月比で低下した一方、前年同月比では上昇した。

インド市場

市況:CFRインドは前週から横ばいとなり、300ドル台後半で推移した。前回の入札結果を受け、トレーダーがインド向けの玉を各供給地で物色している。

ドライバー:マレーシア積みの9月船大粒品が数万トン規模、FOBベースで300ドル台半ばで販売され、買い手がインド向けに転売するとみられている。

補足:インドネシアでは1万トン台の小粒品を対象とする販売入札が行われたが、応札価格が割安だったため、最終的にキャンセルされたとみられる。

その他地域・関連指標

関連指標:欧州着LNGは8月下旬に20ドル台前半まで上昇した。中東情勢とLNG供給への懸念が、原料コストを通じてバルト海市場を下支えした。豪ニューカッスル積み石炭は130ドル前後で小幅に下落した。

東南アジアでは、マレーシアからベトナム向けに数千トン規模のカーゴが300ドル台半ばで販売された。インドネシア積みも、フィリピン向けに1万トン台、300ドル台後半で成約したとの情報が聞かれた。

南米では、オマーン積みの9月ブラジル着カーゴがCIFベースで400ドル台半ば以上で売り唱えられ、一部の大粒品は同程度の水準で取引された。中南米向けでは、FOBベースで300ドル台後半から400ドル前後の成約も伝えられた。

アフリカでは、アルジェリア積みの大粒品が数万トン規模、FOBベースで500ドルを上回る水準で成約したとみられる。地域ごとの価格差が大きく、積地と仕向け地を分けた確認が必要となる。

尿素 市況で今後確認すべき5つの注目ポイント

  1. インド向け調達:落札分の買い付けが、中東・中国・東南アジアのスポット需給をどこまで締めるか。
  2. 中国の輸出枠:詳細不明の第三期枠が実際に設定され、輸出可能量が増えるか。
  3. 中国の実需と稼働:高い稼働水準と末端需要不足の組み合わせが国内価格へ与える影響。
  4. 天然ガスと航行:LNG価格、供給不安、ホルムズ海峡の不安定さが続くか。
  5. 日本の輸入条件:CIF上昇、輸入量減少、調達先構成の変化が次回見積へどう反映されるか。

尿素の調達・価格相談

肥料用途では秋口の在庫積み増し需要、工業用途では天然ガス価格と供給余力、AdBlue向けではCIF日本と主要輸入先の条件変化を継続して確認したい。

3市場が同時に反発する一方、中国の実需不足や輸出枠の不透明さ、ホルムズ海峡の航行不安が残る。インド向け調達の進捗、積地別価格、供給可能量を合わせて確認することが重要となる。

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本記事は、ティーエヌエス株式会社が独自に調査・編集した情報です。掲載内容の正確性、完全性および将来の市況を保証するものではありません。最終的な調達・契約判断は、各社の責任で行ってください。

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