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中国輸出増で尿素市況が軟化、日本は原料高リスクを警戒

尿素 市況は、中国の輸出規制緩和と売り物の増加を主因に、FOBバルト海・中東・中国の主要3市場で軟化しました。日本のCIFも下落する一方、ホルムズ海峡の封鎖継続と原油・LNG高が将来の輸入コストを押し上げる可能性があり、価格低下だけでなく原料高リスクの確認が必要です。


尿素 市況の全体整理:FOBバルト海・中東・中国市場

国際的な尿素 市況は前回比で下落しました。FOBバルト海は300ドル台前半から後半、FOB中東は300ドル台半ばから400ドル前後、FOB中国は300ドル台半ばから後半のレンジで、主要3市場がそろって軟化しています。

最大のドライバーは、中国からの売り物増加です。中国の輸出規制緩和による供給拡大観測が世界市場の圧迫要因となり、ロシアからの継続供給や中国国内の需要停滞も重なりました。一方、中東では供給制約が残るため、下値の持続性は不透明です。

バルト海市場の尿素 市況

バルト海市場は軟調に推移しました。ロシアからの供給が続き、余剰感を持つトレーダーがインド向けに積極的な販売を進めたことで、市場の売り圧力が強まりました。

バルト海積みは300ドル台半ばのFOBで成約が伝えられています。提示レンジは広いものの、継続供給とインド向け販売の進み方が価格形成の中心であり、ロシア品の流入量とインド側の吸収力を引き続き確認する必要があります。

中東市場の尿素 価格動向

FOB中東も下落しました。ホルムズ海峡が事実上封鎖された状態が続き、域内供給は多くありませんが、中国の積極的な輸出が世界の尿素 価格を押し下げ、中東積みの気配値も切り下がりました。

価格感は300ドル台半ばから400ドル前後です。物理的な供給制約と世界市場の軟化が逆方向に作用しており、海峡の開放時期が見通せないなかでは、物流面の上振れリスクを残したまま弱含む構図です。

中国市場の尿素 市況

中国市場は軟化しました。当局が第2期の輸出枠をメーカーやトレーダーに割り当て、第1期に設けていたインド向けの供給制限も外したことで、相当量が輸出されるとの見方が広がっています。

背景には農業用・工業用ともに振るわない国内需要と、民間企業で積み上がる在庫があります。尿素工場の平均稼働率はなお8割を超える高水準で、供給圧力が残ります。山東省の工場渡しは人民元で1000元台後半、ドル換算では200ドル台半ばの価格感でした。

関連指標では、韓国の中国産輸入量が前月から大幅に増えた一方、前年同月を下回りました。輸入単価は前月比で低下し、前年同月比では上昇しており、足元の軟化と前年対比の高さが併存しています。

日本市場と輸入尿素の確認点

CIF日本は400ドル台半ばから500ドル台前半へ下落しました。中国勢の輸出意欲が強まり、ベトナム積みカーゴのFOB水準が切り下がったことが影響しています。国内は不需要期で、需要家の買い気も低調です。

AdBlueメーカーでは、供給不安が高まった時期に確保した在庫に加え、原料供給業者との契約で年明けまでの供給を押さえた例があり、足元でスポット玉を追う動きは確認されていません。

ただし、ホルムズ海峡の開放の兆しは見えず、原油相場も高止まりしています。欧州着LNGも週次で上昇しており、日本のLNG輸入価格を通じた原料高が国産尿素の値上がり要因になるとみられます。輸入価格の下落と国内コスト上昇を分けて見ることが重要です。

インド市場

CFRインドは300ドル台後半へ下落しました。中国がインド向け輸出の制限を撤廃したことで供給が増え、前回の買い付け入札から数十ドル規模で落札水準が切り下がりました。

国営RCF社の入札では、東海岸・西海岸ともに300ドル台後半が最低応札水準となり、百万トン級を含む大型数量が落札されたとされています。今後は中国の実際の船積みと、落札数量の消化が国際市場の需給を左右します。

その他地域・関連指標

韓国の尿素輸入量は前月比で増加し、前年同月比では減少しました。平均輸入単価は前月から低下する一方、前年同月を上回っています。日本から韓国への数量は前月比で減少しました。

ブラジルでは輸入量が前月から大幅に増え、ロシア産の増加が目立ちました。平均単価は前月比で低下し、前年同月比では小幅に上昇しています。インドネシアの輸出量も前月から大幅に増えましたが、前年同月には届いていません。

コスト関連では、アジアの石炭指標が100ドル台前半で小幅上昇し、欧州着LNGは100万英国熱量単位あたり20ドル前後まで上昇しました。原料・エネルギー指標は、製品市況の軟化と異なる方向に動いています。

尿素 市況で今後確認すべき5つの注目ポイント

  1. 中国の輸出枠:割り当て規模だけでなく、実際の成約・船積み時期とインド向け数量を確認する。
  2. インド入札の消化:大型落札が中国を含む供給余力をどこまで吸収するかを見極める。
  3. ロシア供給とバルト海:継続供給による余剰感と、インド向け販売の進捗を追う。
  4. ホルムズ海峡と原料価格:封鎖状況、原油、欧州着LNGが中東供給と日本のコストへ与える影響を分けて確認する。
  5. 日本の在庫と契約カバー:不需要期の買い控え、AdBlue向け在庫、年明けまでの契約状況を踏まえてスポット需要の再開時期を見る。

短期の焦点は中国の供給増による下押しですが、日本の需要家にとっては物流とエネルギーの上振れが同時に残ります。価格だけでなく、数量と時期を組み合わせた確認が必要です。

尿素の調達・価格相談

肥料用途では需要期に向けた確保時期、工業用途では輸入価格と国内原料費の差、AdBlue用途では在庫と契約カバーの切れ目が調達判断の要点です。中国の船積み、インド入札、ホルムズ海峡、原油・LNGを継続して確認する必要があります。

尿素の調達や価格については、エネルギー事業部へのお問い合わせ、または尿素調達のご相談をご利用ください。

【お問い合わせ】エネルギー事業部 尿素部門/E-mail:energy@tns.inc

本記事はティーエヌエス株式会社による独自調査・編集情報であり、内容の正確性、完全性、将来の結果を保証するものではありません。最終的な調達・取引判断は各社の責任で行ってください。

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