国際尿素はFOBバルト海が反落し、天候不順による実需低下と原料ガス安が重しとなった。一方で中東・中国は横ばい圏を維持。CBAMは方向感が定まらず、インドの大型入札は結果待ちで需給の焦点となっている。日本CIFは動意薄。
FOBバルト海・中東・中国市場
- ・市況:下落
- ・ドライバー:バルト海の反落が全体感を押し下げ。中東・中国は水準維持で、地域間の強弱が分かれた構図。
- ・レンジ価格感:FOBバルト海=370ドル台後半〜430ドル台前半程度、FOB中東=450ドル台〜520ドル台程度、FOB中国=430ドル台〜510ドル台程度
バルト海市場
- ・市況:下落
- ・ドライバー:天候不順で実需が低下しているとされ、需要面が弱含み。原料の天然ガス価格下落も下押し要因として作用したとの整理。
- ・レンジ価格感:370ドル台後半〜430ドル台前半程度
中東市場
- ・市況:横ばい
- ・ドライバー:尿素工場向けの天然ガス供給が減少していたが、供給が戻り生産も回復しているようだとの見方。加えて、インド向けの潜在需要が残り、相場は下支えされている。
- ・レンジ価格感:450ドル台〜520ドル台程度
- ・補足:イランの生産は回復しているようだとの言及あり。
中国市場
- ・市況:横ばい
- ・ドライバー:旧正月の大型連休明け直後で、市場の動きが鈍い状況。一定の輸出量は残るとされ、一部の国向けでは輸出が続いているという。
- ・レンジ価格感:430ドル台〜510ドル台程度
- ・関連指標:言及なし
日本市場
- ・市況:横ばい
- ・ドライバー:国内市況が変わらず、輸入玉への買い気が盛り上がらない。国産品との比較で、500ドル前後の売り物に対して買い妙味を見出さないとする動きがある一方、三井化学がトンあたり1万円前後の値上げ方針とされ、価格転嫁が進めば輸入玉への買い気が刺激される可能性が示された。
- ・レンジ価格感:CIF日本=410ドル台〜520ドル台程度
- ・補足:国内の値上げ方針が進捗するかは見通し不透明
インド市場
- ・市況:横ばい
- ・ドライバー:3月末船積み期限の約150万トンを対象とした買い付け入札の応札が締め切られたが、結果はまだ出ていない様子。受結水準は500ドル前後とみられている。応札は約300万トン程度あった一方、希望数量を全量確保するのは難しいとの見方があり、すぐに新たな入札を実施する可能性にも言及がある。
- ・レンジ価格感:CFRインド=470ドル台〜530ドル台程度
その他
- ・欧州着LNG:3月後半着の欧州着(DES)LNGは10ドル台前半/mmBtu程度とされ、小幅下落したとの記述。尿素市況の下押し要因として言及あり。
- ・CBAM:欧州の炭素国境調整措置(CBAM)の動向は引き続き不透明。尿素が対象から外される方向で議論が進められているとみられ、実現すれば欧州向け需要が増える公算が大きいとの見方。
- ・石炭指標:豪ニュー・キャッスル積み(FOB)の石炭指標は110ドル台〜130ドル台程度で小幅上昇とされ、補助指標として言及あり。
- ・公表統計(インド貿易統計):12月の中国からの輸入量は20万9,787トンで、前月比48万5,192トン(69.8%)減、前年同月比15万7,287トン(299.6%)増。輸入単価は462ドル/トンで、前月比4ドル(0.9%)安、前年同月比71ドル(18.2%)高。
- ・公表統計(インド貿易統計):2025年12月の日本からの輸入量は500トンで、前月比160トン(47.1%)増、前年同月比700トン(58.3%)減。輸入単価は520ドル/トンで、前月比68ドル(11.6%)安、前年同月比62ドル(13.5%)高。
- ・公表統計(インド貿易統計):2025年の輸入量は1,020万3,440トンで1,000万トンを超え、2020年以来の多さ。前年から368万3,517トン(56.5%)増、前々年から160万5,181トン(18.7%)増。輸入単価は460ドル/トンで、前年同時期比124ドル(36.9%)高、前々年同時期比61ドル(15.3%)高。
今後の注目ポイント
- インド大型入札の落札水準と確保数量が、次の価格形成にどう波及するか
- 天候不順によるバルト海の実需低下が一時的か、需要回復の兆しが出るか
- 原料ガス指標(欧州着LNG)の方向感が、コスト面の重しとして継続するか
- CBAMで尿素が対象から外れる議論の進捗と、欧州向け需要増の現実味
- 日本国内の値上げ方針(価格転嫁の進捗)が、輸入玉の買い気を刺激するか
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