ニュース 2025.11.04

FOBバルト海は300ドル台半ば〜後半で上昇。欧州向け需要の回復に支えられた。2026年1月に導入予定の炭素国境調整措置(Carbon Border Adjustment Mechanism=CBAM)を前にした買い急ぎが続き、域内需給が引き締まりつつある。欧州全体で肥料需要が拡大傾向にあり、北欧・バルト海地域の港湾出荷も増加している。
リム情報開発によると、欧州着LNG価格は11月後半着で10ドル台前半/mmBtu(トン換算520ドル前後)とわずかに下落した。燃料コストの安定も欧州肥料市況を支えている。
FOB中東は400ドル前後で底上げ。エジプト積み価格が上昇し、欧州市場の旺盛な買いに支えられて強含み推移。アルジェリアでも欧州向け引き合いが活発で、480ドル近辺まで上昇したとの報告がある。
一方、インド公社入札の結果待ちによりアジア需給は様子見ムード。エジプトからの供給安定化が遅れると、中東地域の引き合いはさらに強まるとの見方も出ている。
FOB中国は390ドル前後で軟調。東南アジア向けの低価格オファーが相場を押し下げている。特にインドネシアでは360ドル前後のディスカウント品が確認され、アジア市況全体がやや弱含みに転じた。
中国当局の輸出政策は依然として不透明。10月下旬時点で明確な再許可の動きは見られず、港湾には15〜20万トン規模の在庫が滞留している模様。
CIF日本は450〜490ドルで横ばい。中国の輸出規制や秋肥シーズン後の在庫整理を受け、商談は限定的。
10〜12月期の中国側輸出枠が決まらない中、国内メーカーは定修を続けており、尿素供給の余力が減少。中国からの輸入動向が冬場の需給バランスに影響しそうだ。
9月の中国からの輸入量は約3万トン(前月比8%減)と減少したが、単価は80ドル/t近く上昇した。
CFRインドは400ドル台前半で下落。需要期の終盤に入り買い意欲が一服。インド公社RCFは先週締切の入札で約40万トンを調達したが、目標の200万トンには届かず。
中国積みカーゴの一部が35万トン規模で契約されたとされるが、価格競争が激しく、インド側の追加購買は抑制的。次回入札は12月上旬が見込まれている。
・東南アジア:インドネシアやタイでは低価格FOBが続き、需給緩和傾向。
・アフリカ:ナイジェリア・ダンゴートでは3万トン級カーゴが11月初旬に入札予定。
・エネルギー市場:豪州ニューキャッスル炭は100ドル台前半で小幅安、LNG価格は10ドル台半ば/mmBtuで横ばい。
1. インド公社入札結果(11月中旬)と追加調達の有無
2. エジプト・アルジェリアからの欧州向け販売動向
3. 中国当局の輸出再開タイミング
4. 日本国内の年末需給と価格転嫁動向
5. 炭素国境調整措置(CBAM)施行前の欧州買い急ぎ