国際尿素はFOBバルト海/中東/中国がそろって上昇した。インドの買い付け入札で需給の緩みが解消し、米国のイラン攻撃後の供給不安(ホルムズ海峡の実質封鎖観測)でエジプト積みも急伸。欧州の肥料関税停止観測も支えとなり、日本CIFは500ドル台へ切り上がった。
FOBバルト海・中東・中国市場
- 市況:上昇
- ドライバー:インドの買い付け入札を受けた需給タイト化に加え、米国のイラン攻撃後に供給不安が意識された。欧州で肥料輸入関税を一時停止する観測も、欧州向けの需要刺激要因として材料視された。
- レンジ価格感:FOBバルト海は400ドル台前半〜後半、FOB中東は480ドル台前半〜500ドル弱、FOB中国は460ドル台前半〜480ドル弱
バルト海市場
- 市況:上昇
- ドライバー:欧州が尿素など肥料の輸入関税を一時停止する観測が出ており、欧州需要が刺激される可能性が意識された。イラン情勢の緊迫化を受け、欧州向け輸出もあるエジプト積みが急伸する場面があり、周辺需給への波及が材料となった。
- レンジ価格感:FOBバルト海は400ドル台前半〜後半
中東市場
- 市況:堅調(上昇)
- ドライバー:インドがまとまった数量を購入したことで滞貨感が解消され、相場が押し上げられた。米国のイラン攻撃を受けた緊張の高まりや、ホルムズ海峡が事実上封鎖されたとの見方が広がり、中東積みのインド向け供給が滞る懸念も浮上した。
- レンジ価格感:FOB中東は480ドル台前半〜500ドル弱
- 補足:攻撃前は、天然ガス供給回復を背景にイランの尿素工場の稼働率が上昇し、イラン大手が販売入札を実施したとの記述あり(価格感は400ドル台前半まで低下していたとの見方)。
中国市場
- 市況:強含み(上昇)
- ドライバー:国際市況の上昇に連れ高となり、3月中にインドや複数地域向けに相当量の輸出が見込まれるとの整理が示された。国内市況も堅調で、山東省の工場渡しは1,800元台前半〜1,900元弱へ持ち上がったとされる。
- レンジ価格感:FOB中国は460ドル台前半〜480ドル弱
- 関連指標:日本貿易統計(公表統計)では、1月の中国からの尿素輸入量は1,175トン、輸入単価は75,894円/トンと記載あり。
日本市場
- 市況:上昇
- ドライバー:世界的な需給引き締まりを受けてCIF相場が切り上がった。三井化学が4月以降、国産尿素の販売価格を大幅に引き上げる方向で交渉を進めているとの記述があり、輸入玉への買い意欲につながる面があるとされた。加えて、イラン情勢の緊迫化を受け、中国の日本向け輸出解禁は早くとも5月まで可能性が低いとの見方が示された。
- レンジ価格感:CIF日本は500ドル台前半〜600ドル弱(日本着の商談は500ドル台半ば近辺の観測)
- 補足:日本貿易統計(公表統計)では、1月の輸入量は14,243トン、輸入単価は77,331円/トンと記載あり。
インド市場
- 市況:上昇
- ドライバー:国営肥料メーカーの買い付け入札で、オプション込みで100万〜150万トン規模が落札に至ったとの記述があり、需給引き締まりの材料となった。中東積みに加え、中国積みも一定量が成約したとみられる。
- レンジ価格感:CFRインドは500ドル台前半〜中盤(東西で水準差が示唆)
その他
- 米国積み:米国によるイラン攻撃の影響で、米国積みはFOBベースで500ドル近辺で取引されたとの記述あり(攻撃前は460ドル台後半〜470ドル台後半での成約が示唆)。
- エジプト積み:3月積みで1万〜3万トン規模が480ドル台後半〜490ドル台前半で成約後、米国のイラン攻撃以降は490ドル台後半〜510ドル弱まで急伸したとの整理。
- エネルギー指標:欧州着LNGは10ドル/mbtu近辺で下落したとの記述あり。豪ニューカッスル石炭FOBは110ドル台後半で小幅下落したとの記述あり。
今後の注目ポイント
- イラン情勢の推移と、ホルムズ海峡周辺の物流制約が実需に及ぼす影響
- 欧州の肥料輸入関税の一時停止が、欧州向け需要と周辺FOB指標をどこまで押し上げるか
- インド入札後の追加調達の有無と、落札品の船積み進捗
- 中国の輸出動向と、日本向け輸出解禁時期に関する見方の変化
- 日本国内の国産尿素の価格交渉の行方と、輸入玉への買い意欲への波及
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